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分野 : 一般 カテゴリー : コラム 2025-01-20
今年(2023年)の11月の末から12月の初旬にかけて、冠動脈の血管が細くなり急性の心筋梗塞を発症したため、カテーテルによるステント挿入の施術を受けるために2週間ほど入院した。
 まだ病院はコロナの感染対策が続いており、マスクが外せない状態だったが、相部屋になった人(76才)が話し好きで、カーテン越しではあったが、山菜やキノコ採りの話で盛り上がった。
 この人は山菜取りやキノコ採りの名人という事らしく、強度の仙台弁は聞き取りにくかったが、いろいろと話が合う事も多かった。
 ここでちょっと、方言の話に逆戻りする。私はもう50年以上仙台で暮らしているが、実を云うと未だ本格的な仙台弁にはまったく歯が立たない。
 たとえば仙台地方の方言で、「め(目)」のことを「まなぐ」といいこんな「小ばなし」がある。
・子供が父親に『お父さんが小さい時、目のことを、「まなぐ」って言ってたって本当?』
・父親 『ンだンだ(そうだ)、それがどうした・・・?』
・そこへ祖父が来て『おめだち、じっちゃんがチッチェー(小さい)時は、「まなぐ」のことを「め」って言ってたのを、知ってっか?』
・子供と父親『・・・! ???』
 秋田の酒に「まなぐ凧」という銘柄があるが、江戸・元禄時代からの秋田県湯沢市の民芸品に、凧の絵柄に大きな目玉を描いた「まなぐ凧」というものもある。
 実はこの程度では少しも難物ではない。本格的な仙台弁は今の若い人には全然通じないのである。
 地元のTV局では、ここ何年か、毎週「仙台弁川柳」の傑作選を披露している。
 これなど恐らくは、かって仙台弁に浸リきっていた老人から教えられた代物だろうが、ベテランのアナウンサーによる解説・翻訳がなければ私にも何のことかさつぱり判らないものばかりだ。
 秀作、傑作句をいくつかあげてみると、
・「けな」 (下さいな)、「あぐど」(かかと)、外国語でなく仙台弁
・ズグダレ(いくじなし)とごつしやく(怒る)親父はインピンもの(気難しや)
・おがったら(成長したら)なんぼ(どれだけ)いがんベこの童子(わらし)
・あらやんだおしよす(恥ずかしい)し、ベっちや初キッス
 ざっとこんな具合である。これを早口でやられたら、何をいっているのか全然わからない。
 それでもどうにか会話になったのだから、私の世渡り術も見捨てたものではないだろう。
 
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